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乳腺良性腫瘍

乳腺の良性腫瘍はたくさんありますが、その中でも代表的な線維腺腫、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫について詳しく説明します。

1. 線維腺腫

乳腺良性腫瘍の中では最も頻度が高く、主に20~30歳代に好発します。

症状 

しこりが一番多いですが、マンモグラフィや超音波検査により無症状で偶然発見されることも多いです。

検査・診断

マンモグラフィや超音波検査での画像所見で診断がつくことも多いですが、乳がんや葉状腫瘍と区別するために、細胞診や組織診といった病理学的検査を必要とすることもあります。

治療

通常は治療を必要としませんが、腫瘍が大きくなる場合や、葉状腫瘍との鑑別診断が難しい場合は手術による切除を検討します。

2. 葉状腫瘍

線維腺腫より好発年齢は15~20歳ほど高く40~50歳代に好発する腫瘍です。腫瘍には良性(60~75%)、境界病変(12~26%)、悪性(10~15%)と3種類に亜分類され、線維腺腫に比べると腫瘍が大きい場合が多く、急速に増大することもあります。

症状

しこりが主な症状であり、2~3ヶ月単位で比較的速く大きくなることがあります。

検査・診断

マンモグラフィや超音波検査では線維腺腫と類似した形態を示すため、画像所見だけでの診断は難しいです。症状の経過や大きさから葉状腫瘍を疑った場合は組織診を行い診断します。組織診でも、線維腺腫との鑑別が難しい場合があり、その場合は診断と治療を兼ねた手術で切除した病変で最終診断となる場合があります。また、葉状腫瘍と診断がついても良性、境界病変、悪性までの診断は組織診だけでは難しいことが多いです。

治療

手術による切除が基本です。切除によって、最終的な診断が可能になります。また、良性でも切除が不十分だと局所再発を起こすことがあるため、少し腫瘍と周囲の正常な組織を含めた切除が推奨されています。
悪性葉状腫瘍の場合は転移を起こす場合がありますので、追加の検査や治療が必要になる場合があります。

3. 乳管内乳頭腫

乳腺良性上皮性腫瘍の大半を占める腫瘍で、乳輪近傍に集まる太い乳管に孤立性に発生する中枢性乳頭腫(60~70歳代に多い)と抹消乳管に多発する末梢性乳頭腫(30~50歳代に多い)に分類されます。特に末梢性は初期の乳癌を伴うことがあります。

症状

乳頭からの分泌液(透明、黄色、血液が混じった赤や褐色)やしこりが主な症状です。また、無症状でマンモグラフィや超音波検査で偶然発見されることも多いです。

検査

マンモグラフィや超音波検査で発見されることがありますが、乳管内乳頭腫と乳がんを区別するのは難しいため、組織診で診断されます。また、分泌物を認める場合は分泌物の細胞診をする場合もあります。

治療

乳がんの存在が疑われる場合や腫瘍の増大が見られる場合は手術で切除を行いますが、それ以外の偶発的に見つかったような、無症状で異形上皮を合併しないものは、基本的には経過観察を行います。

ここに挙げた疾患以外にも様々な乳腺の良性疾患は存在しますが、その多くが、経過観察でいいものです。

当院では、乳がんと良性腫瘍の診断や良性腫瘍であっても治療が必要なものであるか経過観察でいいものであるかの診断まで行っております。乳腺で気になることがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。

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