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HBOCとは?未発症でもBRCA遺伝子検査が保険適応に|2026年6月改定

[2026.05.20]

みなさん、こんにちは。
くみこ乳腺クリニック院長の岡田です。

5月15日の毎日新聞に、
「遺伝性乳がん、未発症でも保険 来月から 患者家族の検査、予防手術に適用」
という記事が掲載されていました。

乳腺外科に関わる内容として、非常に大きなニュースであり、今後、多くの方に関係してくる可能性があります。

今年度6月の保険診療改定により、「HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)」に対する保険適応が拡大されます。

HBOCについては、以前のブログでも詳しく解説していますので、まずはこちらをご覧ください。
 AYA世代と遺伝性乳癌卵巣癌症候群

 乳がんと遺伝 ~大丈夫を確かめるための乳がん検診~

海外では、俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、自身にBRCA遺伝子変異があることを公表し、予防的乳房切除を受けたことで大きな話題となりました。
この出来事をきっかけに、HBOCや遺伝医療への関心が世界的に高まり、「Angelina effect(アンジェリーナ効果)」とも呼ばれています。

これまでも、一定条件を満たした乳がん・卵巣がん患者さんにはBRCA1/2検査が保険適応となっていましたが、今回の改定では、HBOC患者さんの血縁者(父母・子・兄弟姉妹)に対して、未発症の段階でも保険でBRCA1/2遺伝子検査を受けられるようになります。

さらに、検査でHBOCと診断された未発症の方に対して、

・予防的乳房切除
・予防的卵巣卵管切除

なども、一定条件のもとで保険診療として行えるようになります。

これは、将来のがん発症リスクを下げるための大きな前進ともいえます。

ただし、「保険でできるようになった=どこの病院でもできる」というわけではありません。

遺伝医療は、とても専門性が高く、検査を受ける前後のサポートが非常に重要です。

・本当に検査を受けるべきか
・結果を知ることでどんな影響があるか
・家族へどう関わるか
・今後の人生設計をどう考えるか

などについて、十分な説明や遺伝カウンセリングを受けたうえで進める必要があります。

そのため、きちんとした遺伝カウンセリング体制や、多職種連携、手術・フォロー体制などを整えた施設基準を満たす医療機関でのみ実施可能となっています。

今回の保険収載には、大きなメリットがあります。

これまで高額だった遺伝子検査や予防医療へのハードルが下がり、必要な方が早めに医療へアクセスしやすくなります。
また、自分のリスクを正しく知り、将来に備える選択肢を持てるようになります。

一方で、デメリットや注意点もあります。

遺伝子検査は、「受ければ安心」という単純なものではありません。

陽性だった場合、

「まだ病気ではないのに、一生がんへの不安を抱える」
「家族へどう伝えるか悩む」
「子どもへの遺伝が気になる」

など、精神的負担が大きくなることもあります。

また、予防切除は“健康な臓器を手術する”という側面もあります。
身体的負担だけでなく、見た目や女性としての気持ちなど、非常にデリケートな問題も含まれます。

だからこそ、周囲に流されるのではなく、「自分はどうしたいのか」を丁寧に考えることが大切です。

現時点では、当院で遺伝子検査や遺伝カウンセリングを直接行っているわけではありませんが、乳がん家族歴が気になる方や、「自分は検査対象になるの?」と不安な方のご相談は可能です。

必要に応じて、専門施設へのご紹介も行っていますので、気になることがあればお気軽にご相談くださいね。

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