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医師は、患者さんから学び続けている

[2026.02.11]

こんにちは。
くみこ乳腺クリニック院長の岡田です。

先日、後輩の先生から一本の連絡をもらいました。
以前、私が主治医として担当していた患者さんの症例について、論文を書きたいという内容でした。

何年も前の患者さんですが、その方の病状や治療経過、当時悩みながら判断した場面が、自然と頭に浮かびました。

病院勤務時代、私の診療の中心は乳がんの治療でした。
手術や抗がん剤などの薬物治療など、いわゆる「がん治療」が主な役割でした。

けれど、クリニックを開業してから改めて実感しているのは、
乳腺の病気や悩みは、乳がんだけではないということです。

痛み、しこりのような違和感、張り、左右差、分泌物。
「これって病気ですか?」
「様子を見ていいんでしょうか?」

そうした、はっきりとした病名がつく前の不安や迷いを抱えて、
多くの方が受診されます。

乳腺の診断は、マンモグラフィと超音波検査(エコー)が中心です。
画像を見ればすぐに分かることもありますが、
ほんの少しの違和感が、結果的に病気の診断につながることもあれば、
逆に「これは良くないかもしれない」と思っても、問題のないこともあります。

その判断は、決して一度きりで完結するものではありません。
症状の経過、画像のわずかな変化、患者さんの訴え。
それらを丁寧に重ね合わせながら、考え続ける必要があります。

クリニックを開業してからも、
一人ひとりの診察が、今も変わらず勉強の連続です。
「この所見はどう考えるべきか」
「次に同じような方が来たら、どう説明しようか」

そうした日々の積み重ねが、
診断の精度だけでなく、患者さんに伝える言葉や安心感にもつながっていくと感じています。

今回、後輩の先生が論文としてまとめようとしてくれている症例も、
当時の私だけでなく、これからその論文を読む多くの医師にとって、
新たな学びになるのだと思います。

医師は、経験を積めば積むほど、すべてが分かるようになるわけではありません。
むしろ、簡単には割り切れないことや、考え続ける必要のある場面が増えていく仕事です。

だからこそ、
これまで出会ってきた患者さん、
そして今、目の前にいる患者さんから学び続ける姿勢を大切にしたい。

クリニックを開業した今も、
一つひとつの診察が、私自身を育ててくれていると感じています。

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