乳がん患者さんは増えていくのに、乳腺診療に携わる医師は減っていく⁉️
みなさん、こんにちは。
くみこ乳腺クリニック院長の岡田です。
今日は、乳腺診療の現場にいるからこそ実感している
「乳がん患者さんは増えていくのに、乳腺診療に携わる医師は減っていく⁉️」
という少し考えさせられるテーマについてお話しします。
■ 乳がんは“増え続けている”という現実
日本では、乳がんは女性で最も多いがんです。
国立がん研究センターの統計によると、2021年に新たに乳がんと診断された方は約10万人弱。
10年前と比べても、明らかに増加しています。
これは「検診が広がったから」だけではなく、
ライフスタイルの変化や高齢化など、さまざまな要因が重なった結果です。
つまり――
これからも乳がん患者さんは増え続けると考えられています。
■ 乳腺専門医の多くは外科医、そして外科医は減っていくかも…
先日のブログでもお話ししましたが、
乳腺専門医の大部分は外科医です。
ところが近年、
外科医を志す若手医師の減少
業務負担の大きさ
働き方の問題
などから、外科医になる医師そのものが全国的に減少しています。
当然その影響は、乳腺診療にも及びます。
実際、日本乳癌学会が認定する乳腺専門医は約2,100人いて、
数字の上では専門医は増加していますが、実際に専門医をとるために必要な
日本乳癌学会への入会者は減っており、特に若手の入会者の減少が危惧されています。
なので、今後、専門医も「自然に増えていく」とは言いがたい状況です。
さらに問題なのは、
専門医の地域偏在です。
■ 泉州・大阪南部でも起きている「専門医不足」
泉州地域(泉佐野・貝塚・泉南・阪南・熊取・田尻・岬町)や
大阪南部・和歌山北部を含めても、
乳腺専門医がいる医療機関は限られています。
大きな病院は予約が数週間先は当たり前です。
「大きな病院の予約はできたけど、予約がかなり先で不安になり来ました」
という声を、日々の診療で実際によく耳にします。
大きな病院も、可能な範囲で早めの予約をとってくれているのですが
一方で、乳がん患者さんは増える一方で、乳がんの治療に関しても
手術・薬物療法(ホルモン療法・抗がん剤・分子標的薬など)・長期の経過観察
と、年々複雑化・長期化しています。
そのため、治療中の乳がん患者さんで日々の診療がいっぱい、いっぱいの状況であり、
なかなか、初診の患者さんをすぐに診察するのが難しいです。
これは、私も大きな病院でずっと働いていた勤務医だったので、
大きな病院の状況を痛いほどわかっているつもりです。
ただ、患者さんにとっては、そんな病院の状況なんて知る由もないのが現実です。
■ だからこそ「病院 × クリニック」の連携が不可欠
この時代に大切なのは、
一つの医療機関ですべてを抱え込むことではありません。
手術や集学的治療は 大きな病院
検診・精密検査・良性フォロー・術後の安定期フォローは 地域の乳腺クリニック
それぞれの役割を活かし、
スムーズにつなぐことが、患者さんにとって最も負担の少ない医療につながりますし、
医師の疲弊や離職も防げて、持続可能な医療へとつながっていくと考えます。
当院では、泉州地域を中心に、
大阪南部から和歌山方面の病院とも連携し、
必要なタイミングで速やかに紹介、
治療後は安心して地域でフォローできる体制づくりを大切にしています。
■ 「不安を先延ばしにしない」入口でありたい
乳房の違和感や痛み、しこりは、
待てば待つほど不安が大きくなる症状です。
当院は、
予約なしでもできる限り対応
「まず相談したい」を断らない
必要な検査を速やかに行う
そんな不安の入口としての役割を大切にしています。
そして、本当に専門的な治療が必要な場合は、
信頼できる病院へ責任をもってつなぐ。
治療が落ち着いたら、また地域で寄り添う。
■ 乳腺診療は「点」ではなく「線」で支える時代へ
乳がん患者さんが増え、
乳腺専門医が限られる時代だからこそ、
地域全体で、線として支える医療が必要です。
「受診してよかった」
「ここに来て安心した」
そう感じていただけるよう、
これからも泉州地域の乳腺診療の一端を担い、
みなさまに安心を届け続けたいと思っています。
