「春は別れと出会いの季節 ― 医療の現場でも起こる“主治医の交代”について」
皆さんこんにちは。
くみこ乳腺クリニック院長の岡田です。
3月から4月は、卒業や入学、転勤など、出会いと別れの季節ですね。新しい環境への期待とともに、少し寂しさを感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、この「出会いと別れ」は医療の世界でも毎年のように起こっています。
大学病院や地域の基幹病院で勤務している医師は、医局からの派遣で勤務先が決まっていることが多く、同じ病院に長く勤務することの方が珍しいこともあります。特に若い医師の頃は研修の一環として、大学病院や関連病院、地域の基幹病院などを経験するため、数年単位、時にはもっと短い期間で異動することもあります。
乳がんの診療では、手術や治療が終わった後も、5年、10年と長期にわたって経過をみていくことが多い病気です。そのため患者さんによっては、治療やフォローの中で主治医が変わることもあります。
もちろん医療現場では、これまでの治療内容や経過はきちんと引き継ぎがされています。それでも患者さんにとっては、信頼していた先生が異動してしまうことに不安を感じたり、新しい先生に改めて説明することに戸惑いを感じたりすることもあると思います。
中には、手術をしてくれた先生を信頼しているという理由で、その先生の異動先の病院へ通院を続ける方もいらっしゃいます。ただ、病院が変わることで通院距離や生活の動線が変わるなど、患者さんにとって負担になることもあります。
私自身も勤務医だった頃は、異動のたびに患者さんへそのことをお伝えするのがとても心苦しく感じていました。特に治療中の患者さんや、病状が不安定な時期に主治医を離れることになってしまうときは、本当に申し訳ない気持ちになることもありました。
医師にとっても、患者さんとの関係はとても大切なものです。
現在、くみこ乳腺クリニックでは、乳がん術後のフォローやホルモン療法中の経過観察、乳がん検診、乳房の相談などで多くの方が通院されています。
クリニックの場合、手術や入院治療をお願いする基幹病院の先生が変わることはあっても、日常の診療や相談の窓口として同じ医師が継続して診療できるという安心感があります。
体調の変化やちょっとした不安でも、「いつもの先生に相談できる」という環境は、患者さんにとって大きな安心につながるのではないかと思います。
病気との付き合いは長いこともあります。その中で、不安な時や迷った時に気軽に相談できる場所があることはとても大切です。
これからも、患者さんにとって安心して相談できる身近な主治医として寄り添えるクリニックでありたいと思っています。
新しい年度が始まるこの季節、皆さまにとって良い出会いがたくさんありますように。
